図表説明をマスターしよう!英語論文執筆のための超基本ガイド
英語論文を執筆する際、図表の説明は非常に重要な役割を果たします。
データや結果を視覚的に伝える図表は、文章だけでは伝えきれない情報を効果的に示すための強力なツールです。
しかし、図表をどのように説明すべきか、その方法を理解していないと、せっかくの図表が読者にとって分かりにくいものになってしまいます。
本記事では、英語論文における図表説明の基本的なテクニックを紹介します。
図表の番号付けからキャプションの書き方、さらには実際の図表をどのように説明するかまで、英語論文初心者の方でも実践できる方法をお伝えします。
特に、学術論文において求められる「客観性」や「明確さ」を保ちながら、読者にとって分かりやすい図表説明を行う方法を学んでいきましょう。
図表説明をマスターすることで、あなたの論文はより効果的に研究成果を伝えることができ、論文の質を一段と高めることができます。
さっそく、図表説明の基本を一緒に見ていきましょう!
英語論文における図表(Figures and Tables)の役割
論文における図表は、複雑なデータ、結果、または解析設定などを視覚的かつ簡潔に提示するための不可欠な要素です。
本文中で得られた結果をすべて文章で記述するのは効率が悪く、読者にとっても理解しづらいため、図表を活用します。
図表のスタイルと構成
図は「Figure 1」「Figure 2」... と連番で振られます。
表は「Table 1」「Table 2」... と連番で振られます。
章番号を含む場合もあります(例: Figure 2.8, Figure 3.1, Table 1)。
本文中では、必ず番号を使って図表を参照します。
タイトルまたはキャプション (Title or Caption)
図表の真下(図)または真上(表)に、その図表が何を示しているのかを簡潔かつ具体的に説明するキャプションが付きます。
実験条件、シミュレーション対象なども含まれます。
キャプションを読めば、本文を詳細に読まなくても、ある程度その図表から何が読み取れるのかが分かるように記述します。
図表内の要素
図には、軸ラベル(単位付き)、凡例(Legend)、異なる線や点のシンボルなど、内容を理解するために必要な情報がすべて含まれます。
表には、各列/行の見出し、単位、そしてデータが含まれます。
本文中での図表の説明方法
本文では、図表を単に提示するだけでなく、それが何を示しているのかを読者に明確に伝える必要があります。
基本的な流れは以下のようになります。
1. 図表の紹介
まず、どの図表を参照しているのかを明確に示します。
この際、特定の定型表現がよく使われます。
- "Figure X shows..."
- "Fig. X presents..."
- "Figure X illustrates..."
- "Figures X and Y depict..."
- "Figure X and Y show..."
- "Figure X to Figure Y show..."
- "Table X presents..."
- "Table X lists..."
ポイント:図表番号は文末に括弧で示すこともありますが、紹介する際には文頭や文中で主語として扱うのが一般的です。
例えば、「Figure 1 shows X...」や「Y is shown in Figure 1.」のように書きます。
2. 図表の内容の説明
紹介した図表から読み取れる主要な結果や傾向を客観的に記述します。
具体的な数値や、異なる条件下での比較について述べます。
例えば、
"Figure 10 and 11 present the A and B at C(無次元数や試験条件)..."
"The computed D and E values are close to those of the experiment..."
"The F agrees with those obtained in the..."
"The larger velocity is observed for G..."
"The H decreases for the I..."
表現方法・文法
図表の説明においては、表現方法・文法の使い分けが重要になります。
1: 客観性
個人的な意見や解釈ではなく、図表が示す事実をそのまま記述します。
図表そのものを紹介する文(「Figure X shows...」)は、通常現在形を使います。
「...showed that...」「...indicated that...」のように、図表が主体となって何かを示すかのように書くのが一般的です。
2: 時制
図表に示されている「傾向」や「一般的な関係」を述べる場合は、現在形を使います。
- A tend to diminish at B compared with C...
- D are qualitatively captured for E...
- the difference between F and G is insignificant...
- H is typically negative over the tested I values...
ただし、図表に示された過去の研究や計算で行ったことについて述べる際は、過去形を使うことが多いです。
- A were performed...
- B was modeled as shown in Figure 1...
- the computations were evolved to...
- C were generated on...
など、文脈によって適切に使い分ける必要があります。
具体的な描写に役立つ語彙
増加/減少: increase, decrease, reduce
一致/近似: agree with, close to, consistent with
違い/ばらつき: discrepancy, difference, variation, scattering
示す/表す: shows, presents, depicts, illustrates, indicates, represents
観測される/得られる: observe, obtain, yield
比較: compare with, comparison
単位と無次元量
物理量を示す際は、必ず単位を付記します。
無次元量を使用する場合は、その定義を明記します。
無次元量は[-]で示されることが多いです。
図表説明のポイントまとめ
- すべての図表には適切な番号と分かりやすいキャプションを付ける。
- 本文中で図表を参照する際は、必ず番号を使う。
- 「Figure X shows...」「Table Y presents...」などの定型表現を用いて図表を紹介する。
- 図表の内容を説明する際は、客観的な事実、具体的な数値、傾向、比較に焦点を当てる。
- 現在形、過去形を適切に使い分ける。
- 専門用語、単位、無次元量を正確に使用し、必要に応じて定義を示す。
まとめ
英語論文における図表の説明は、研究成果を効果的に伝えるための重要な要素です。
図表を適切に活用することで、複雑なデータや結果を視覚的に分かりやすく伝えることができます。
そのためには、図表番号やキャプションの付け方から、図表をどのように説明するかまで、基本的なルールを守ることが大切です。
英語論文初心者の方でも、図表説明のポイントを押さえることで、より明確で効果的な論文を作成することができます。
今後、英語論文を執筆する際には、今回ご紹介したテクニックを活用し、図表を使って研究成果をより伝わりやすく表現してください。
図表説明は論文執筆の重要なスキルの一つです。
繰り返し練習を重ね、しっかりと習得していきましょう!