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GREの効果的な対策・勉強法を知りたい方
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これからGREの勉強をはじめる方
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GREに関する情報が少なくお悩みの方
・この記事の時点で社会人歴約9年
・アメリカの大学院に留学
・オーストラリア駐在
私はアメリカの大学院に留学し、修士号を取得しました。
大学でのGPAは3.75で、現在は国際学会や発表会にも年2回以上は参加して、プレゼンをしたりしています。
本記事では『効果的にGREのスコアをアップさせる勉強法』について紹介します。
- GRE対策
- 最初に読むべき参考書
- Verbal Reasoning
- Quantitative Reasoning
- Analytical Writing
- おすすめの問題集
- 試験当日
- 最後に一言
- GRE General Test 攻略のための必須英単語 2163
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GRE対策
GREのスコアはTOEFLのスコアとは異なり、「~点以上必須」というものではなく、その他の出願書類(履歴書、エッセイ、推薦状など)に加えて受験者を評価する一つの指標です。
そのため、仮に大学側がGREのスコアをあまり重要視しない評価手法を採用していた場合、エッセイや推薦状などに注力した方が合格に近づくこともあります。
しかし一般的には、大学側がどのように出願者を評価しているかなどは公表されておらず、GREについてはいくつかのサイトが合格者平均点などを分析しているのみです。
つまり多くの出願者が、「~点取れば大丈夫」のような基準はない中で、「出願までに可能な限り高いスコアを目指す」ことになります。
そのため、エッセイや推薦状などの出願書類を作り込みつつも、「いかにして少ない時間でGREのスコアを伸ばすか」が重要になります。
やはり複数の出願者がいて、評価が同じくらいだった場合は、一番わかりやすく順位が決められるのがテストのスコアなので、スコアが高い方が有利なのは事実です。
あなたのGRE対策に、私の経験が少しでも役に立てればと思い、以下にその勉強法を説明したいと思います。
最初に読むべき参考書
もしあなたが
- 『GREの勉強をこれから始める』
- 『GREのテストがどんなテストかまだ良く分からない』
という場合は
最新版 大学院留学に必要な、GMAT(R) or GRE(R)テスト対策のすべて
がおすすめです。
具体的な試験対策には不十分ですが、GREの試験概要やGREで問われる内容をザッと把握するためにはいい参考書です。
そもそも日本語で書かれたGREの参考書が少ないなかで、入門書としてサクッと読むには良書だと思います。
新品だと4000円くらいしますが、中古だと1000円くらいで買えるので、中古で買って大事なところだけ拾い読みする程度でも価値はあると思います。
繰り返しになりますが、こちらのテキストは概要を把握するには良書ですが、対策本としては不十分です。
そのためスコアを伸ばしていくためには、以下で紹介するような参考書を用いて対策・勉強をする必要があります。
Verbal Reasoning
日本人受験者の多くの方が苦労するのが、この Verbal Reasoning だと思います。
『ネイティブでも日常ではほとんど使わないような英単語をいかに覚えるか』
がポイントになります。
多くの受験者が TOEFL のスコアを取得した後にGREに取り組むか、もしくは同時進行で勉強しています。
TOEFL と比べて Verbal Reasoning の方が複雑な文が出題される傾向にありますが、もしあなたが TOEFL のリーディングですでに 20~24 点以上のスコアを取得できている場合は、特別に文法の対策をする必要はないと思います。
時々単語の意味を調べても、文章の意味が分かりにくいといったことはありますが、すでに持っている文法書などで調べれば、ほとんどの英文は理解できます。
Verbal Reasoning は文法よりも、むしろ英単語の意味が分からなくて解答できないことがほとんどなので、試験時の時間配分などもとりあえず棚上げにして、まずはひたすら単語を覚えることに尽力することが大事です。
おすすめの単語集
洋書のフラッシュカード(単語帳)を使って覚えたい場合は、
- Essential GRE Vocabulary, 2nd Edition: Flashcards
- 500 Essential Words (Manhattan Prep GRE Strategy Guides)
がおすすめです。
基礎から勉強をはじめて、Verbal Reasoning で150点くらいを目指すのであれば、Essential GRE Vocabulary, 2nd Edition: Flashcardsで500個の英単語を暗記し、後ほどご紹介する問題集で対策をするのが有効です。
問題集で出てきた分からない単語も追加で覚えていけば、Verbal Reasoning で150点を取得できる語彙力は十分身に付きます。
もしあなたが最上位校に出願予定で、Verbal Reasoning で155点以上のスコアが欲しい場合は、
- 500 Essential Words (Manhattan Prep GRE Strategy Guides)
- 500 Advanced Words (Manhattan Prep GRE Strategy Guides)
の2つを用いるのがいいと思います。
前者が基礎編で後者が発展編です。
若干オーバースペック(本当に必要かな)と思われる単語も含まれていますが、このフラッシュカードで1000個の英単語を暗記したうえで、さらに問題集に出てきたわからない単語を覚えることができれば、単語が原因で問題が解けないことはかなり減ります。
その他フラッシュカードではなく、単語集で勉強したい場合は、Essential Words for the GREがおすすめです。この一冊だけで800個の英単語を覚えることができます。
また英単語だけでなく、単語の語源に関するページが291~378ページにわたり説明されています。
ここを勉強しておくと、分からない単語が選択肢に含まれていたとしても、意味やその単語が持つニュアンスを推測して、答えを絞り込むことができるようになります。
単語が持つ意味がポジティブかネガティブかが分かるだけでも、対比文章の穴埋め問題などでは役に立つこともあるります。
このパートを勉強しつつ問題演習でその感度を養うことで、覚えた単語の数に加えてスコアのアップが期待できます。
おすすめの問題集
単語集での勉強に加え、問題集を用いた対策も必要です。
The Official Guide to the GRE General Test, Third Editionがやはりおすすめです。
テストを実施している ETS が出版しているため、本番に近い形式の問題を解くことができます。
Verbal Reasoning のみを収録したOfficial GRE Verbal Reasoning Practice Questions, Second Editionもありますが、問題数が若干少ないように思えます。
なので試験まであまり時間がない方で、数を絞って集中的に勉強したい場合にはおすすめの一冊です。
とにかく数をこなしたい場合や、⇧の問題集が一通り終わってしまった場合には、Book of GRE Practice Problems (Manhattan Prep GRE Strategy Guides) がおすすめです。
この問題集には、
- Text Completions 144問
- Sentence Equivalence 147問
- Reading Comprehension 170問
- Logic - Based Reading Comprehension 58問
が収録されているので、試験まで比較的時間があって、より多くの問題を解きたい場合にはおすすめの一冊です。
Quantitative Reasoning
日本人の受験者で大学受験を経験した方であれば、比較的簡単に感じるパートだと思います。
ただし馴染みのない英語での言い回しや、高校数学では習わない統計の知識が必要な問題もあります。
また本番では短い時間で解答する必要があるので、少しは勉強が必要です。
Quantitative Reasoning の対策は、基本的には問題演習が有効です。
以下の点を意識して問題演習をすると効果的に対策ができ、制限時間内に全問解答できるようになります。
- 間違えた問題と、解答はできたが時間を要した問題を抽出する
- 答えを見て間違えの訂正と不足している知識の補充する
- 設問を見た瞬間に解答までの道筋をイメージできるようにする
ここまで読むと、Quantitative Reasoning にもそれなりに時間を費やす必要があるように感じますが、Verbal Reasoning や Analytical Writing と比べるとはるかに少ない時間で高得点を取得することができるので安心してください。
初見で解ける問題もかなりあります。
スコアのイメージとして、ノーベン(全く勉強をしないで試験を受けた場合)だと150点代前半か140点代の可能性もあります。
少し頑張れば160点以上は期待でき、1~3の手順で勉強すれば165点以上が取得できるようになります。
そのためできるだけ早い段階で165点以上を取れる能力を身につけ、残りの時間はVerbal Reasoning や Analytical Writing に費やす方が、GRE全体のスコアアップのカギとなります。
私が実践した具体的な勉強方法を紹介します。
基本的には問題集を最低3回繰り返します。
とりあえず1回目は全ての問題を解いてみます。
そのなかで自分が間違えた問題と解答に時間がかかった問題をピックアップし、いわゆる間違いノートを作ります。
2回目は間違いノートの問題だけを解きます。
3回目は間違いノートの問題を見て、見た瞬間に解答の道筋がイメージできたら正解として次に進み、イメージできなかった問題だけ解くようにします。
このように徐々に解くべき問題絞り込んでいき、自分の弱点だけを集中的に勉強することがポイントです。
『設問を見た瞬間に解答までの道筋をイメージできる』ことはすごく大事です。
本番では20問を35分で解かなければならないので、1問の解答に使える時間は1分45秒です。
なので「じっくり考えたら解けた」というのは大幅な時間ロスにつながります。
そのため問題演習では、⇧で紹介した1~3の手順で対策をし、より少ない時間で弱点を克服しつつ、本番の試験で必要な「短時間で解答する能力」を涵養することが重要です。
おすすめの問題集
基本的には Verbal Reasoning 対策で紹介した2冊と同じです。
目標スコアが165~167点くらいであれば、The Official Guide to the GRE General Test, Third Edition だけでも十分だと思います。
一通りの範囲はカバーできるので、この問題集に収録されている問題が、
『設問を見た瞬間に解答までの道筋をイメージできるレベル』
になれば高得点を取得することは十分可能です。
最上位校に出願予定で170点が必須という方は、Book of GRE Practice Problems (Manhattan Prep 5 lb Series) を2冊目として購入することをお勧めします。
数学を苦手とする欧米系の学生からの評価が高く、Quantitative Reasoning だけで550ページ分収録されているため、問題数はかなりこなせます。
また170点を目指す方用の難易度が高い問題が42問収録されているので、The Official Guide to the GRE General Test, Third Edition だけでは物足りない方にもおすすめの1冊です。
Analytical Writing
GRE の Writing は TOEFL の Writing よりもさらに難しいです。
でもきちんと対策をすればスコアは必ず伸びます。
まずは解答のテンプレートを取得しましょう。
やはりネイティブではない受験生が、限られた時間で論理的でかつ英語のミスもないエッセイをゼロから書き上げるのは至難の業だと思います。
そのため、自分が解答を作成しやすいテンプレートを見つけて、そのテンプレートに沿って解答を作り上げる練習を重ねることが、スコアアップへの近道です。
私が GRE 対策で使用したテンプレートはこちらです。
テンプレートと言っても、TOEFL の Writing と比べるとかなり長いです。
なのでまずはテンプレートをじっくり読みましょう。
そうすると、それぞれのパラグラフの役割が理解でき、GRE の Wrting における論の展開の仕方などがわかるようになります。
そのうえでテンプレートに従い答案を作成する練習をした方が、定着は確実に早まります。
各パラグラフの役割が理解できたら、以下の手順で対策をします。
- まずは時間は気にせず、テンプレートを見ながら答案を書き上げる
- 少し時間をおいて、自分で添削し修正する
- 解答例を見ながら、使えそうな英文を自分の解答に盛り込む
- 今後も使えそうな単語やフレーズはまとめノートにストックしておく
もう少し詳しく説明します。
1. まずはとにかく答案を書き上げることが大切です。
TOEFL の Wrting と比べて文字数も多いので、GRE Writing の解答形式に慣れるためにも、まずは書いてみましょう。
2. 少し時間をおいて答案を見直しましょう。
TOEFL の Writing で20~24点以上のスコアをお持ちの方なら、基本的なミスや不自然な文章などは自分でも添削できます。
またインターネットなどを使って、正しい表現を調べて英文を修正するのも良い勉強になります。
3. 次に解答例を見ます。
この時ただ解答例をパッシブに読むだけでなく、あくまでもアウトプットする立場で、使えそうな英文をピックアップしていきます。
使えそうな理由付けや具体例の書き方などもピックアップできると、アウトプットできる英文も増えていきます。
4. 今後使えそうな文章やフレーズは、ノートにストックしておきます。
ストックした英文も何回か使っているうちに、ノートを見ないでもスラスラ書けるようになります。
あとはひたすら①⇒④を繰り返します。
だんだんテンプレートを見ないでも答案を作成できるようになってきます。
そうしたら時間を計るなど本番の形式に近づけていくことで、制限時間内に答案を作成できるようになります。
おすすめの問題集
これまでに紹介した、The Official Guide to the GRE General Test, Third Editionだけでも十分対策ができます。
Book of GRE Practice Problems (Manhattan Prep 5 lb Series)は解答例が難しすぎる気がしますが、Issue Essay Topic 10問、Argument Essay Topic 10問の合計20問が収録されているため、2冊目としてさらに問題数をこなしたい場合にはおすすめです。
試験当日
試験当日のポイントを3つ紹介します。
ブルーライトカットメガネを持参しましょう。
本当に目が疲れます。
特にVerbal Reasoning はずっとディスプレイを見ることになるので、私はブルーライトカットメガネを必ず持ち込んでました。
耳栓を持参しましょう。
防音用のヘッドフォンがありますが、ずっと付けていると頭が締め付けられて痛くなります。
なので私はいつもMY耳栓を使ってました。
時間配分に気をつけましょう。
特に Quantitative Reasoning で満点近くを狙う方は、慎重になりすぎないことが大切です。
「一問くらいは落としてもしょうがない」
くらいな気持ちで、全問しっかりと解答することが大切です。
最後に一言
『日本人の学力の高さ・我慢強さ・綿密さをもっと世界に伝えたい』
アメリカの大学院に留学していて思うことの一つです。
もちろん他の国の学生で優秀な方はたくさんいますし、日本人の学生が劣っている部分もあります。
しかしそれ以上に、日本人留学生の数が少ないというのが一番の弱点かなと思います。
もちろん数が多ければそれで良いという訳ではありませんが、流通する情報量やコミュニティとしての影響力、認知度などは量が多い方が圧倒的に強いです。
これは私が実際に留学してみて、中国人やインド人、韓国人の留学生などを見ていて感じます。
私も身の程知らずかなとは思いますが、「日本人の学力の高さ・我慢強さ・綿密さ」を少しでも伝えるべく、学校で良い成績をとることに努めたり、修士論文に加えて研究で成果を出して、国際学会で発表するようなことを繰り返してきましたが、全体としては微々たるもので、私個人の評価に留まっているような気がしました。
それだったら留学する日本人の数をもっと増やして、あなたと一緒に頑張る方がより効果的なのかなと思うようになりました。
もちろん私より優秀な方の方が圧倒的に多いでしょうし、私ができることなんて限られているのかもしれません。
しかしこのような記事や単語集の出版を通して、留学を目指す方々に少しでも有益な情報をお伝えし、あなたの大学院留学の実現に向けてお役に立てればと思っております。
あなたが合格された暁には『日本人の学力の高さ・我慢強さ・綿密さ』をもっと世界に伝えるべく、一緒に切磋琢磨できれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
GRE General Test 攻略のための必須英単語 2163
単語集の出版は骨の折れる作業でした。
しかし上述した経験から、
『今後GREを受験される方々の時間を少ずつでも節約することができたら、全体としてより大きな効果があるのではないか』
という思いのもと、GREに特化した英単語集の編集・出版に至りました。
本書を利用することで、「効率的に対策ができそうだな」と思って頂けましたら、ご検討頂ければと思います。
書き込み式はこちら
例文付きはこちら
ランダム+索引付きはこちら
音声教材もYouTubeで提供しております。
目と合わせて、耳から英単語を繰り返し聞くことで、より記憶に残りやすくなるように作成しました。
通勤・通学中や、作業をしながらの聞き流しにも利用できます。
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