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- 今後の大学生活をどのように過ごすかお考え中の方。
- 就職活動や大学院への進学など、将来のことについて考え始めた方。
海外の大学院へ留学することは、あなたが思っているほど難しくはありません。
大学卒業後の将来について考えるとき、ぜひ選択肢のうちの一つとして検討してみてください。
大学生に伝えたい!海外大学院留学という選択肢
本記事では、私のアメリカ大学院への留学経験をもとに、
「海外の大学院に留学する」
という大学卒業後の選択肢についてご紹介したいと思います。
今この記事を読んでいるあなたは、
- 大学生になり、今後の4年間で何をしようか考えている
- 大学3年生で就職や大学院への進学などについて考え始めた
- 上記2つに関連し、漠然とした不安を感じることがある
のような悩みを抱えているのではないでしょうか。
自分の将来について考えたことが一度でもあれば、
サークルや部活、バイト、ボランティア、インターン、就活...
などは、頭に浮かんだことのあるキーワードだと思います。
しかし「海外の大学院へ留学する」という選択肢について、真剣に考えたことがある方は少ないのではないでしょうか。
海外大学院留学は特別なこと?
最近は小学校でも英語が必修化されたり、訪日外国人の数が年々増加したり、英語が大学受験のためだけでなく、より身近に感じられるようになってきています。
でも「海外の大学院に留学して学位を取得する」ことは、まだメジャーな選択肢ではありません。
短期の語学留学や大学が主催する交換留学などに、興味をもつ学生は多いかと思います。
でもアメリカやイギリス、オーストラリアの大学院に留学し、MBAや修士号などの学位を取得することに関しては、
- 帰国子女
- 英語がすごくできる人
- 起業したい人
のように、特別な目標を持った人がすることのような認識を持っていませんか?
しかし私が実際にアメリカの大学院に留学して、他の留学生と交流しているうちに、このように
「海外大学院留学」=「ちょっと特別なこと」
のような認識を持っているのは、日本人だけかなと思うようになりました。
軽いノリの留学生
在学中は、特に中国、インド、ベトナム、台湾からの留学生との交流が多かったのですが、彼らの話を聞いていると、
いわゆるどこにでもいる学生が、普通にアメリカの大学・大学院に来て学位を取得
しており、中にはそのままアメリカでの就職を狙っている学生もたくさんいることを知りました。
また特別に優秀というわけでもなく、英語もペラペラというわけでもない学生が、留学を通じて英語力も上げつつ、専門科目を学び、学位を取得しているということも事実です。
そして多くの留学生が、いわゆる軽い「ノリ」で留学しているのも、日本人と大きく違うことのように感じました。
仮にあなたも大学院留学を目指すとしたら、
- 英語力
- 学費
- 卒業後の進路
などなど、不安に思うことはたくさんあるかと思います。
しかし少なくとも私が交流した他国の留学生は、
- 「アメリカで学位を取った方が認められそうだから」
- 「友達に誘われたから」
- 「人脈があったから」
- 「海外でそのまま就職した方が給料が良さそうだから」
- 「トレンドだから」
など、いたってシンプルでフットワークの軽い答えが返ってきます。
もちろん、その時の会話では伝えきれなったこともあるのかもしれませんが、
- サークルや部活を決める
- そのまま国内の大学院に進学するか
- 企業に就職するか
などの判断をしたりするのと同じくらいのノリで、「海外の大学院に留学する」という選択肢を持っています。
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海外大学院留学は必要か?
このような違いが生まれる背景として、日本の場合は
- 国内でも十分な高等教育が受けられる
- 卒業後にもきちんと雇用がある
ため、海外の大学院に行く必要がないということも考えられます。
しかし、技術が発達した今後の社会においては、
- 誰にでもできるような単純作業は、自動化されたシステムやAIなどに変わっていく
- 時間労働などの雇用は、海外からの出稼ぎや移住者などに割り振られるようになる
ため、これまで以上に「代替不可能な専門性を持った人材」が求められます。
「日本人は英語が苦手」と言われたりもしますが、書店には英語学習に関する本がいくつも並び、低額でオンライン英会話の授業が受けられる現在では、日常会話程度の英語が話せる日本人はいくらでもいます。
そのため、仕事で英語を使うレベルを目指すのであれば、英語を勉強としてではなく、専門的な知識や技術を伝えるツールとして使いこなせる能力が求められます。
大学院留学を実現するために重要なことは?
もちろん大学院に合格するにあたり、TOEFLやGREの試験でスコアを取得したり、出願書類を作り込んだりする必要はありますが、そこで要求されるのは「何か特別な能力」ではなく、「やるか、やらないか」です。
また「英語ができる人が大学院留学をする」のではなく、「大学院留学を通して英語ができるようになる」ことも付け加えておきたいと思います。
もちろん英語ができるに越したことはありませんが、留学において、あなたはお金を払って勉強をしにきている、いわゆる「お客さん」であるため、必ずしも英語が完璧である必要はありません。
あなたが留学を終えて企業に就職し、給料を稼ぎながら仕事をするときに、英語を運用する能力があればそれでいいのです。
私自身もはじめから英語ができたわけではありません。
- 初めて受けたTOEICのスコアは420点でした。
- 大学4年生の時にグアムに旅行に行くまでは、英語なんて話したこともありませんでした。
しかしアメリカの大学院留学を志し、TOEFLやGREの勉強、英語での書類作成を通して、少しずつ英語ができるようになりました。
また留学中も、授業やグループワーク、研究室でのディスカッションなどで四苦八苦しつつも、オンライン英会話などを通して継続的に英語を勉強したことで、少しずつ自信が持てるようになってきました。
大学院留学も選択肢になり得る!
つまりこの記事を読んでいるあなたも、今、英語ができる必要は全くありません。
きちんと目標を設定し、日々努力を重ねることで、「海外大学留学」は決して実現不可能な選択肢ではないことを改めて認識していただきたいと思います。
現在あなたが大学1~2年生で、今から大学院留学に向けて動き出せば、卒業する頃には十分実現可能な選択肢となっているでしょう。
もしあなたが3~4年生だったとしても、一度就職をして、働きながら対策をすることも十分可能です。
勉強する時間はやや制限されるかもしれませんが、稼いだお金で英会話スクールなどに通い、効率的に対策できることは社会人の大きな強みです。
実際私は社会人になってから留学を志し、平日の稼業後や土日を利用し、英語を勉強したり、出願の準備をしていました。
どうすれば海外の大学院に留学できるのか?
ここまで記事を読み進めたあなたは、少なからず海外の大学院留学に興味をもったのではないでしょうか?
しかし同時に
- 「どうやって海外の大学院の合格するの?」
- 「お金はどれくらい必要なの?」
- 「卒業後の就職活動などはどうすればいいの?」
という新たな疑問を抱いているはずです。
そこで、以下の記事ではそれらの疑問を解消すべく、
- 大学院留学の概要
- 大学院に入学するまで
- 大学院留学に必要な費用・奨学金
- 卒業後の進路
についてご説明したいと思います。
(私がアメリカの大学院に留学した関係で、アメリカの大学がメインになります)
大学院留学の概要
基本的にどこの国の大学院へも留学は可能です。
北欧やヨーロッパなどには、英語が公用語でなくとも、授業は全て英語で行われている大学もあります。
しかし、やはり日常生活のことなども考えると、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの国へ留学するのが現状では一般的です。
最終的には大学のプログラムや指導教官との調整次第になりますが、一般的にアメリカの場合は2年、オーストラリアは1年半、イギリスは1年で学位(修士号)を取得することになります。
修士論文の有無なども国や大学により異なります。
コースワーク中心のプログラムの場合は、授業に参加して単位さえ取得すれば学位が取得できる一方で、修士論文が必須のプログラムもあります。
授業形態も様々で、日本の大学のように教授が板書をしながら授業を進めることもあれば、グループワーク中心で、ディスカッションがメインの授業などもあります。
大学院に入学するまで
アメリカの大学院の場合、12月~1月中旬くらいにかけて出願締め切りがあるので、それまでに試験のスコアや必要書類を提出する必要があります。
なお同じ大学でも、学部により締め切り日が異なる場合もあるので注意しましょう。
書類の提出は基本的にはオンラインで行います。
出願用のアカウントを作成し、PDFなどでアップロードしていきます。
大学によっては原本の提出が求められる場合もあるので、その場合はEMSなどを利用して、送付する必要があります。
出願締め切りまでに大学に提出する書類は以下の通りです。
- TOEFLのスコア
- GREのスコア
- 履歴書
- エッセイ
- 推薦状(3部)
- 英文成績証明書
- 英文卒業証明書
TOEFLのスコア
TOEFLのスコアは日本の大学受験の「足きり」のようなもので、出願する大学の必要最低点を超えなければ、基本的に合格することはできません。
目安として中堅校で80点以上、中堅上位校で84~90点以上、最上位校で100点以上のスコアが必要になります。
GREのスコア
GREは留学生だけでなく、ネイティブの学生も受験する、いわゆるスタンダード・テストのようなもので、リーディング、ライティング、数学の問題が出題されます。
TOEFLとは異なり、最低点などはありませんが、ネイティブも受ける試験なので、リーディングやライティングはかなり難しく感じます。
しかしGREのスコアが全てではありません。
履歴書・エッセイ・推薦状
一般的に履歴書やエッセイ、推薦状など全ての提出書類を含めて総合的に合否が判断されます。
つまりGREのスコアが多少低くても、これらの書類をきちんと作り込むことができれば、アメリカの大学院に合格することは十分可能です。
アメリカ大学院に合格するために必要な出願書類の作成方法や、GREの対策方法については別記事にまとめておりますのでそちらをご覧下さい⇩
英文成績証明書・英文卒業証明書
学部の英文成績証明書・英文卒業証明書が必要になります。
出願締め切りが近づくと焦ってしまうこともあるので、出願校が決まったら早めに取寄せておきましょう。
合格後の手続き
まだ先の話にはなりますが、合格後の手続きについても少し説明しておきます。
合格発表は通常3月上旬から4月の下旬くらいにあります。
基本的にはメールで合否のお知らせが来ます。
残念ながら不合格だった場合は、それ以上何もする必要はありません。
合格した場合は、Admission Acceptance Confirmation/Reply Form(大学により呼び方は異なります)に名前(Signature)と日付を記入し、進学の意思を伝える必要があります。
スキャンしてPDFをメールで返信すれば大丈夫です。
このとき大学にデポジットとして300ドルくらいを支払うケースもあります。
次に学生ビザ(F-1ビザ)の取得に必要な入学許可書(I-20)の発行申請をします。
I-20 Request Form などと言ったりします。
このとき健康診断書や銀行の残高証明(授業料の支払い能力があることの証明として)などを合わせて提出する必要があります。
I-20が取得できたら、米国大使館または領事館に行き、面接を受け、F-1ビザを取得します。
大学に入学するにあたり必要な手続きは以上になりますが、その他に
- アメリカの銀行口座の開き方
- アパート探し
- 長期滞在するにあたり必要な手続き
などを⇩の記事にまとめておりますので、合格後にご一読頂ければと思います。
大学院留学に必要な費用・奨学金
結論を言ってしまうと、大学や住む地域などより異なるので、一概に「〇〇〇万円です」と言うのは難しいです。
私立か公立かでも授業料はかなり違いますし、生活費も都市部か郊外かで異なります。
また留学期間についても、指導教官との調整次第では1年半で卒業することも可能なので、その場合は半年分の生活費と学費を削減することができます。
これだけだとあまり参考にならないので、一例として私の場合について説明したいと思います。
私は郊外の私立大学に通っていて、2年間で修士号を取得しました。
2年間で大学に支払った経費は合計で約380万円です。
内訳として
- 学費が320万円
- 学生保険が60万円。
です。
幸い大学から奨学金(授業料の一部免除)を年間4,000ドル受け取っていたので、2年間で80万円くらい授業料を一部免除してもらいました。
自分で応募したわけではありませんが、合格通知と一緒に奨学金についても知らされました。
私はキャンパス外のアパートに暮らしており、家賃は月14万円でした。
水道代やインターネット代、駐車場代は含まれています。
ただしこの部分は住む場所によって節約することは十分可能で、キャンパス内の寮であれば、1学期あたり2,000~4,000ドルで部屋を借りることもできます。
またキャンパス外のアパートで、ハウスシェアをしている留学生もたくさんいました。
結論として、「海外での生活」+「大学に通う」ため、お金はそれなりかかります。
ある程度の貯金やご両親の協力なども必要かもしれませんが、その他にも奨学金やティーチングアシスタントなど、あなたの海外留学を支えるのシステムもあります。
各大学の学費と合わせて⇩でご検討頂ければと思います。
学費一覧
海外大学院の学費のまとめサイトです。私も出願する際には参考にしました。
奨学金一覧
大学の奨学金以外にも、日本学生支援機構などが給付する奨学金もあるので、お金がなくても留学することは十分可能です。
TA・RA
ティーチングアシスタント(TA)やリサーチアシスタント(RA)として指導教官のお手伝いをすることで給料がもらえたり、授業料が一部免除されたりもします。
ただし、その研究室の予算や指導教官の方針などもあるので、事前に調整が必要です。
学内でのアルバイト
週20時間までなら、キャンパス内でアルバイトができます。
カフェなどで働けば英語の練習にもなりますし、そこからコミュニティが広がることもあります。
日本の大学院生でもアルバイトをしている方はたくさんいると思うので、それがアメリカになっただけと考えれば、良い就労経験にもなると思います。
卒業後の進路
卒業後の進路については大きく分けて2パターンあります。
- 日本に戻って就職活動をする
- アメリカに残り就職活動をする
以下で、この2つのケースについてそれぞれ説明します。
日本に戻る場合
長くなったので別記事にまとめました。
留学・海外経験者を専門とした転職エージェントによる無料カウンセリングもあります。
海外経験者に特化した転職支援や履歴書添削などもサポートしてくれます。
アメリカに残る場合
アメリカで就職を希望する方は、とにかくアンテナを張り、現地のコミュニティに積極的に参加し、人脈を築くことが就職活動を有利に進めるうえで重要です。
私の知る留学生で、アメリカの企業に就職した学生は2人いますが、2人ともいわゆる「ツテ・人脈」でした。
アメリカ人でさえ就職にはコネや人脈は重要と言われているので、留学生はなおさらです。
また在学中にも、就職セミナーやインターンのお知らせなどは、頻繁に大学のアカウントを通してメールが来ます。
さらに学部が主催するセミナーなどでは、企業の人が来てプレゼンをしてくれたりもするので、積極的に交流を持つことをおすすめします。
また留学生の中でも中国人やインド人の学生は、かなりのコミュニティ力があり、就職に関する情報もたくさん持っています。
先ほど紹介したアメリカの企業に就職した留学生も中国人とインド人でした。
そのほか、Optional Practical Training (オプショナル・プラクティカル・トレーニング)という制度があり、アメリカの大学や大学院を卒業した後、一年間だけ雇用主が決まっていなくてもアメリカに滞在することができ、就職活動をすることができます。
申し訳ございませんが、私はアメリカで就職をしたわけではないので、お伝えできる情報はここまでとなります。
世界へとびだせ.comというサイトでOptional Practical Trainingを利用したインターンプログラムについて紹介されているので、そちらをご覧いただければと思います。
まずこれから始めよう
ここまで読んで頂きありがとうございました。
あなたの中で海外の大学院留学という選択肢も、十分あり得ると思えるようになったのではないでしょうか。
しかし動き出さなければ何も始まりません。
そこで、今すぐあなたができることを3つに絞りました。
その3つを以下で紹介しますので、良くご検討頂いたのちに、まず1つ選んで頂ければ、あなたは海外大学院留学に一歩近づくことができます。
#1 海外大学院留学についてもっと知る
海外大学院留学についてもう少し調べることをおすすめします。
本記事では、大学院留学の概要と卒業後の進路などについて紹介しましたが、アメリカ以外の国への大学院留学や、出願手続きなどをさらに詳しく把握することは、今後計画を立てる際に重要な知識となります。
私も利用した本ですが、最新版 大学院留学のすべて 入学後絶対後悔しないための10のステップ がそれらの情報を網羅的に解説しているのでおすすめです。
#2 オンライン英会話を始める
英語力はやはり重要です。
特ににスピーキングは日本人が苦労するパートだと思います。
そのため早い段階から取り組み、英語を話すことに慣れたのち、それをTOEFLや留学時に必要な英語にチューニングしていくことが大切です。
とは言え大手の英会話スクールはレッスン料金も高く、学生や社会人でまだ日が浅いあなたにとっては難しい選択だと思います。
そこでおすすめなのがオンライン英会話です。
DMM英会話やレアジョブでは、大手の英会話スクールと比較して、圧倒的に安くマンツーマンの授業が受けられます。
どちらも無料体験授業を受け付けているので、実際にレッスンを受けてから決めることができます。
DMM英会話はこちら
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#3 海外旅行に行ってみる
少し趣向を変えて、海外大学院留学に興味はもったけれど、まだ海外に一度も行ったことがなく、いまいち想像ができないという方は、まず海外旅行に行ってみることをお勧めします。
治安や金銭面を考えても、東南アジアなどは人気の観光地ですし、英語をコミュニケーションツールとして使う感覚や、日本以外の文化に触れるのもいい経験になります。
航空券やホテルの予約はExpediaが便利です。
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